公益財団法人 放射線影響協会 放射線影響協会疫学センター

用語解説

用語一覧Words

あ行

INWORKS研究
フランス、イギリス、アメリカの3カ国の原子力施設従事者の疫学調査。2015年に白血病や固形がん死亡への放射線影響の研究結果が公表された。
後向きコホート
疫学調査を行う場合のコホートの一種で、すでに曝露が起こってしまった後で、事後的に(後向きに)、その集団を追跡調査し、因果関係を明らかにする後向きコホート研究で設定する集団のこと。
疫学的手法
疫学調査は人間集団を対象に、健康に関連した種々の事象(状況、例えば疾病)についてその出現頻度や分布を調べ、それを引き起こしていると思われる要因を明らかにする調査です。その疫学的調査には大別して二つの手法があります。
例えば、”喫煙が肺がんの原因となっているかどうか”を明らかにしようとする場合、一つは「症例対照研究」といって、肺がん患者(症例群)と健康人(対照群)を比べて、どちらに喫煙者が多いかを調べる手法があります。もう一つは「コホート調査」といって、最初に健康人の大集団(コホート集団)の喫煙状況を調査し、その後長期間にわたって肺がんの発病(死亡)状況を追跡調査することによって、喫煙と肺がんとの関連を調べる手法です。
この放射線疫学調査は後者のコホート調査にあたります。喫煙の代わりに放射線被ばく、肺がんの代わりに白血病等の種々のがんに置き換えてください。
LNT仮説
放射線の影響を示す時に、放射線の累積線量と健康影響(例えばがん死亡)の関係が、閾値のない直線となると仮定した仮説のこと。健康影響の中では、がんのように確率的影響と考えられているものについて、この仮説が用いられることが多い。

か行

学術研究
低線量域の放射線被ばくが人体に与える健康影響については、未だ科学的に明確な知見が得られていません。そのため、国内外においていくつかの学術研究が進められています。国際がん研究機関(IARC)による国際共同研究は、その一例です。
過剰相対リスク(ERR excess relative risk)
死亡率(あるいは死亡数)や発生率(あるいは発生数)の観察値をO、期待値をEとすると、相対リスク(RR)、過剰相対リスク(ERR)はそれぞれ以下の式で示される。

 

RR = O/E
ERR = RR-1 =(O-E)/E

 

過剰相対リスクは、過剰分(観察値から期待値を引いたもの)と期待値との比を表す。何らかのモデルに基づいてデータから推定した過剰相対リスクの値を、「過剰相対リスク推定値」という。単に「過剰相対リスク」としてもよい。

偏り
疫学調査では、通常、対象者を自由に選べないことが多く、しかも予めどのような特性が結果に影響を与えるか予測がつかないために、いろんな偏りが入ってしまいます。例えばこの疫学調査の場合、調査対象集団のうち、生死が確認されたものだけが解析対象集団となっていますが、生死が確認された集団とされなかった集団の特性が全く同じで数だけが少なくなったのであれば、偏りはないのですが、なにか特定のものが脱落する傾向があるとすれば、偏りが生じることになります。調査実施の段階でなるべくそのような偏りが入らないように努力するのですが、もし避けることが出来ない場合には、結果の判断の段階で、そのことが結果に影響したかどうかを考察するしかありません。
観察死亡数
観察期間において観察された解析対象集団の死亡数です。
期待死亡数(SMR計算の場合の)
観察対象集団の死亡率が日本人全体(本調査の場合には日本人男性全体)のそれと同じだとしたら、これだけの死亡者数があるはずだという、理論的に計算された死亡数のことを言います。
喫煙関連がん 喫煙非関連がん
喫煙との間に因果関係があるがん、ないがんで、以下に喫煙関連がん、喫煙非関連がんを示す。

 

部位 喫煙の影響 禁煙の
効果
関連の
有無
期間・本数
などによる影響
その他(組織型別など)
口腔 お酒との組み合わせでさらにリスクが高くなる
鼻腔と
副鼻腔
組織型別(扁平上皮がん)に検討しても関連が認められる  
鼻咽頭 EBウイルスの影響は考慮されていないが、それだけでは喫煙者での高リスクは説明できない
中咽頭と下咽頭  
食道 組織型別(腺がん、扁平上皮がん)に検討しても関連が認められる。お酒との組み合わせでさらにリスクが高くなる(扁平上皮がん)  
お酒やピロリ菌の影響を除いても、喫煙の影響がある
大腸(結
腸・直腸)
  喫煙者での高リスクについて、他の要因の影響を否定できない  
肝臓 肝炎ウイルスの影響を除いても、喫煙の影響がある
膵臓 お酒の影響を除いても、喫煙の影響がある
喉頭  
がんの組織型別(扁平上皮がん、小細胞がん、腺がん、大細胞がん)に検討してもそれぞれ関連が認められる
女性乳房   喫煙者でのリスク上昇が、他の要因の影響で説明ができる  
子宮頸部 パピローマウイルスの影響を除いても、喫煙の影響がある  
子宮体部   喫煙者でのリスク上昇は他の要因の影響でも説明ができる。また、閉経後女性では喫煙する人の方がリスクが低い傾向がある  
前立腺   喫煙者での高リスクについて、他の要因の影響を否定できない  
尿路 移行上皮がんだけでなく、腎細胞がんでも関連がある
白血病
(骨髄性)
リンパ性白血病やリンパ腫については、研究報告が少なく、結果も一致していない  
その他   研究報告が少なく、結果も一致していない  

<凡例>
【関連の有無】
 ◎:因果関係がある  ○:リスク上昇と関連がある  *:関連があると判断できない  -:関連がない
【期間・本数などによる影響】
 +:期間が長い、本数が多いほどリスクが高い
【禁煙の効果】
 ○:禁煙によりリスクが低くなる効果がある  -:禁煙後もリスクが高いままである  (空白):記載なし

傾向性の検定
ある物と出来事との間に因果関係があるか無いか見たいときに、ある物が増えるほど出来事の方も増えていることが証明できれば、ひとつの強い証拠となります。この関係を統計的に検定することを傾向性の検定と言います。この疫学調査の場合では、高線量群ほど死亡率が高くなっているかどうかをみるために、観察対象集団を線量群に分けて、横軸に各線量群の平均線量をとり、縦軸に死亡率をとって、低線量群から高線量群にかけて、死亡率が右上がりに増加する勾配があるかどうかを検定しています。
健康労働者効果
何か重大な健康上の問題がある人(例えば、かなり進行した糖尿病や肝硬変の人など)は健康な人と同じようには働けない可能性が生じます。その結果、勤労者を調査の対象として疫学調査を行うと、比較的健康な人ばかりが対象集団に含まれることになります。肉体的に重い労働が要求される職場では、一層その傾向は強くなります。必然的に、そのような集団の死亡率は一般集団における死亡率より低くなります。これを健康労働者効果と呼びます。ただし、外因死はこのような身体の健康度と無関係ですから、これに関しては健康労働者効果はありません。またがんについても、通常は身体の健康度と無関係に発病し、死に至る場合には発病から比較的短期間で死亡することが多いので、健康労働者効果は小さいと言われています。
交絡因子
疫学調査では、曝露要因(この疫学調査では放射線量)と結果(この疫学調査では死亡率やがん発生率)との関係を調べることが目的であるので、例えば疫学調査の場合、比較している線量群の間の違いが放射線量だけであれば理想的である。しかし現実には、線量群の間には、その他のいろいろな要因に関する特性の違いが存在して、しかもそれらもがん死亡率と相関している可能性がある。このように、目的とする曝露要因と結果の両方に相関している他の要因のことを交絡因子と呼ぶ。
がんの死亡には、様々な要因(タバコ、食事、肥満、運動不足、職業、その他)があり、そのうちどれが交絡因子として影響しているか明らかにしておく必要がある。
もし予め何か特定の要因が交絡因子となると判っている場合には、この要因に関する調査対象者全員の特性を調べておく必要がある。そうすれば、統計的解析に際して、この交絡因子の影響を取り除くことが可能である。がん死亡の要因別清割合(推定)
国際がん研究機関(IARC)
がん研究の国際協力を推進することを目的に、1965年(昭和40年)に設立された世界保健機関(WHO)の付属機関で、フランスのリヨンにあります。
国際放射線防護委員会(ICRP)
放射線防護に関する基本的な考え方、原則、方策など放射線防護で用いる基本的な基準等を検討・勧告する委員会です。ICRP勧告は、世界各国の放射線防護法令の規範となっており、わが国でも基本的にICRP勧告を尊重して法令、その他の基準値が定められています。
固形がん
胃がん、大腸がん、子宮がんにみられるように、1か所に固まって発生するがんを指す。リンパ性悪性腫瘍および造血器悪性腫瘍を除くがん。
コホート
疫学調査において、何らかの特性を持ち、観察対象となる集団のこと。

さ行

3カ国合同研究
アメリカ、イギリス、カナダのデータを用いて、国際がん研究機関が行った合同放射線疫学調査。
シーベルト(Sv)
放射線防護を目的とし、放射線の種類、被ばくの態様に共通の尺度で被ばくの影響を評価するための線量当量の単位である。人間に対する放射線の影響は、吸収線量が等しくても放射線の種類、エネルギー及び被ばく条件によって異なる。放射線防護の目的で、被ばくの影響を総ての放射線に対して、内部、外部被ばくに関係なく、共通の尺度で評価するためにこの単位が作られた。SI単位で、記号ではSyと書く。線量当量Hは、吸収線量D(Gy:1ジュール/キログラム(J・kg))と線質係数Q(X線や電子線では1、α線では20)、補正因子N(通常1)の積で、次式によって求められる。H = D・Q・N。旧単位のremとの間には、次の関係がある。1Sy = 100rem。
死因と被ばく線量が関連
放射線疫学調査では、放射線被ばくによる人体への健康影響があるかどうかについて調べます。もし、影響があるとすれば放射線業務従事者の悪性新生物(がん)、非新生物等による死亡率は日本人男性より高くなり、また累積線量とともに増加することが考えられます。
実効線量
放射線防護に用いる線量の一つです。放射線の人体への影響は、放射線の種類や個々の身体部位の感受性によって異なります。そのため被ばくによる全身の健康影響の評価が行なえるよう考慮して定めた線量です。単位は、シーベルトです。
社会経済状態(SES;SocioEconomic Status)
経済的な富裕さ、職業、あるいは学歴などを基に、社会的経済的なレベルを表しています。
15カ国調査
2005年6月29日に英国の医学誌BMJの電子版で発表された15カ国の原子力施設従事者の疫学調査。
住所地域の違いを考慮した解析
種々のがんの死亡率に関して、日本全国の地域間に大きな違いのあることが知られています。解析結果がその影響を受けないようにするため、この放射線疫学調査では対象者の住所地を8地域に層別化して、その違いを考慮しながら内部比較を行いました。
住民票(除票を含む)写し
住民票とは、「住民基本台帳法」(昭和42年法律第81号)第6条に基づき、市区町村長がその住民について個人単位に作成する帳票をいい、世帯ごとに編成管理されています。同法第12条で、旧法では、利用目的を明らかにすれば何人でも住民票の写しの交付を請求することができましたが、新法(平成20年5月施行)では、交付請求の正当な理由として認められる内容が例示されています。市区町村長は、請求が不当な目的によるものでないことを確認して交付することができます。
「除票」とは、転出、死亡等により消除された住民票のことで、住民票写しと同様の手続きにより、保存期間(5年)中のものについて写しの交付を受けることができます。
人口動態調査死亡票
「人口動態調査死亡票」とは、厚生労働省が人口動態統計を作成するための人口動態調査票原票の一つであり、死亡届に基づいて市区町村長が作成し、都道府県を経由して厚生労働省に送付されることになっています。この放射線疫学調査では、統計法(平成19年法律第53号)に基づき厚生労働大臣の承認を得て、人口動態調査死亡票を磁気媒体に転写した資料の提供を受けています。
信頼区間
一般的には95%信頼区間、または90%信頼区間などと表現されています。これは、無作為抽出を繰り返し行い、その都度、ある統計量(平均、分散など)の信頼区間を計算したとき、100回のうち95回位(または90回位)は真の値を含んでいる区間を表しています。
線量限度
「放射線防護の基準である線量限度」とは、放射線被ばくに伴う確定的影響(がんと遺伝的影響以外の全ての影響、例えば皮膚障害や不妊など)の発症を完全に防止し、確率的影響(がんと遺伝的影響)の発生を容認できるレベルまで制限するように設定された被ばく線量の限度をいいます。
法令に定められた放射線業務に従事する者に対する線量限度は、たとえば男子については実効線量は、「5年間に100mSv、ただしいかなる年度の1年間にも50mSvを超えない」となっています。

た行

第I期調査、第II期調査、第III期調査、第IV期調査、第V期調査
放射線疫学調査は平成2年度から実施されました。平成2年度から平成6年度まで行われた放射線疫学調査を「第I期調査」、第I期調査に引き続き、平成7年度から平成11年度まで行われた放射線疫学調査を「第II期調査」、第II期調査に引き続き平成12年度から平成16年度まで行われた放射線疫学調査を「第III期調査」、第III期調査に引き続き平成17年度から平成21年度まで行われた放射線疫学調査を「第IV期調査」、第IV調査に引き続き平成22年度から平成26年度まで行われた放射線疫学調査を「第V期調査」と呼んでいます。
多重比較法
統計的検定では計算により求めた統計量(検定統計量)が出現する確率を、予め定めた有意水準(一般には5%あるいは1%)と比較して有意性の判断を行います。有意水準を5%とすることは、95%は正しいが5%は間違っている可能性があり、統計学的に有意な結果は、偶然によっても20回に1回は起こり得ることを意味しています。このため、多数の検定を繰り返して行う場合には、検定回数に応じて有意水準が増加してしまうことが問題とされ、これを防ぐために全体の有意水準を保つことを目的として検定の基準を厳しくする方法を多重比較法と言います。
中央値(メジアンmedian)
データを小さい順に並べたとき中央に位置する値であり50%タイル値ともいわれる。
中央登録センター
放射線業務従事者個人の被ばく線量について、”いつ・誰が・どこで・どれだけ放射線を受けたか”という全国規模の情報が中央登録センターに登録され、個人ごとに集計・管理されています。
(さらに詳しいことをお知りになりたい方はここをクリックしてください。)
低線量域放射線の長期被ばく
現在のところ、低線量域放射線の被ばくが人の健康にどのような影響を及ぼすかについて、科学的に定まった知見はありません。広島・長崎の原爆被爆者についての長期間における調査では、100から200mSv以下の線量では統計的に放射線の被ばくによってもたらされたがんによる死亡の有意な増加は検出されていません。
また、がんの原因は一つではなく、多くの要因(例えば喫煙や食事など)が長年にわたって作用することによって起こると考えられており、放射線もそのような要因の一つであると考えられています。したがって、多くの場合、がんについてそれが放射線によるものかどうかの識別は困難で、各個人に発生したがんが放射線によるものかどうかの確認はできません。そのため、多くの人々の集団について調査をすることによって、低線量域放射線の被ばくが健康に与える影響を明らかにしようとする研究が行われています。
電離放射線
物質を通過するとき、直接あるいは間接にイオンをつくることができる能力(電離能力)を有する放射線の総称である。直接(一次)電離放射線と間接(二次)電離放射線がある。前者は電子、陽子、α粒子などの荷電粒子線であり、後者はγ線(電磁波)、X線、中性子である。
統計学的に有意
ある観察結果が偶然だけでは起きないだろうという統計学的判断を「有意」という言葉で表します。例えば対象集団の死亡率が日本人男性全体の死亡率より高い(あるいは低い)という観察結果が見られても、それは単なる偶然で得られたのかもしれません。
統計学では、その可能性が5%未満の時に「有意」といい、それが1%、0.1%と低いほど判断が確かだと言うことになります。
統計的検出力
ある研究の統計的検出力とは、原因と結果に関連があることが真実である場合に、その関連を正しく検出できる能力、または感度のことを表し、一般的に80%以上の検出力が求められています。研究の検出力は、調べようとしている、原因が結果に及ぼす作用の大きさ、研究デザインおよび標本サイズを含む、いくつかの要因によって決定されます。統計的仮説検定では2種類の過誤が起こる可能性があります。第1種の過誤は「原因と結果に関連がないにも拘わらず、誤って関連があるとする確率」、第2種の過誤(β)は「原因と結果の関連があるにも拘わらず、誤って関連がないとする確率」です。統計的検出力とは「原因と結果の関連があるときに、これを関連があるとする確率」を意味し、1-βで表されます。

な行

内部被ばく
内部被ばくとは、生体内に取り込まれた放射性物質による照射である。放射性物質が体内に入る経路は、呼吸によるもの、経口によるもの、皮膚を通じるものの3通りがある。体内に入った放射性物質は、全身に均等に分布される場合と特定の1つまたは幾つかの器官あるいは組織に選択的に吸収される場合がある。よう素は甲状腺に、ストロンチウムは骨に沈着するが、セシウムは骨に数%、筋肉に80%、残りは肝臓その他の器官に沈着する。体内に取り込まれた放射性物質は、代謝、排泄等によって系の外(体外)に出ていく。放射線の被ばくは、有効半減期(自然の崩壊と生物学的過程により放射能量が半分になる時間)に依存する。

は行

発がんの潜伏期
有害化学物質や放射線あるいは微生物などの外部からの刺激に曝露した後、生物個体に影響が現れるまでに時間がかかる場合があ
リます。この期間を潜伏期といいます。
低線量域の放射線を長期に受けた場合の潜伏期はまだ明確にされていませんが、放射線の影響は一定期間後に現れ、その後増加していくと考えられています。海外の原子力産業従事者の疫学調査で多用される白血病2年、その他のがん10年という期間は、放射線による発がんが現れ始める最短潜伏期間とされています。
この疫学調査においては、海外調査との比較可能性を考慮して、白血病2年、その他の新生物10年を最短潜伏期とし、さらに最短潜伏期の感度解析について検討しています。
被ばく線量
原子力発電施設等の管理区域で放射線業務に従事する場合、業務によっては低い線量の放射線を被ばくすることがあります。放射線業務に従事するときは、法令などに定められている基準(線量限度)を守ることはもちろんのこと、不必要な被ばくを防止するとともに、避けられない被ばくについても管理上の基準(計画線量)を定め、放射線業務従事者の受ける放射線の量をできるだけ少なくする放射線防護対策が講じられています。
また、原子炉設置者等事業者には、放射線業務従事者の被ばくした線量等を記録することが義務付けられています。
ひとりひとりの放射線業務従事者が受ける放射線の量が線量限度や計画線量を超えないようにするため、原子炉の設置者等は管理区域で働く放射線業務従事者に対して、ガラス線量計、電子式個人線量計などによる外部被ばく線量、ホールボディカウンタ等による内部被ばく線量の測定を義務付けています。
この疫学調査では、原子炉設置者等が被ばく線量を放射線防護関連法令に基づき実効線量に評価したうえで、中央登録センターに登録した被ばく線量を用いています。
放射線業務
「放射線業務」とは、放射線の被ばくのおそれがあるため他の場所と区画された区域(管理区域)内で行う業務をいいます。放射線業務に従事する者を「放射線業務従事者」といいます。

ま行

慢性リンパ球白血病(CLL)
白血病のひとつで、細胞の種類から骨髄性とリンパ性とに分けられる。また、未熟なリンパ球が増加する場合と成熟したリンパ球が増加する場合とで、急性リンパ性白血病と慢性リンパ性白血病とに分けられる。これらは骨髄やリンパ系組織の中で発症し、通常、血液の中に成熟したリンパ球が著しく増加した状態が慢性リンパ性白血病である。リンパ球の種類により、B細胞とT細胞とに分けられる。白血病細胞は、リンパ節、骨髄、脾臓などで非常にゆっくり増殖し蓄積する。
慢性リンパ性白血病は、成人で中年以降に好発し、頻度は年間、10万人に1~3人の発症率である。リンパ球のがんには、悪性リンパ腫や他の白血病があるが、これらとは病態や治療法が異なる。 慢性リンパ性白血病の原因はまだ明確ではなく、そのため、危険因子や予防方法も明らかではない。

ら行

リスク
一般には危険を意味し、危険度という言葉が用いられる。はっきりとした因果関係を示すことができない成人病の場合、肺癌と喫煙の関係のように喫煙は肺癌のリスク因子という云い方をする。放射線影響の場合、従来は確率的影響の発生確率としてリスクという用語が用いられてきたが、リスクという用語は定性的な意味から確率論的リスクまでの広い用語として用いられている。
リスク値は高いが統計的には同等
リスクの中央値は、高い値を示しているが、95%(90%)信頼区間が一部重なった値になっている状態。