〔本書をお読みになるにあたって〕

    本書「第2章しきい値はあるのか」に、「なお、原爆を受けた人たちの調査などからも、
   人間では200ミリシーベルト以下というような低い線量では、がんによる死亡者が余計
   に発生したという明確な結果は出ていません。」との記述がありますが、本書発行(最終
   改訂:2000年11月)以降に以下の新たな知見が得られております。
    広島や長崎で原子爆弾に起因する放射線を受けた方々の追跡調査の結果からは、100
   mSvを超える被ばく線量では被ばく量とその影響の発生率との間に比例性があると認
   められております。一方、100mSv以下の被ばく線量では、がんリスクが見込まれるもの
   の、統計的な不確かさが大きく、疫学的手法によってがん等の確率的影響のリスクを直接明
   らかにすることはできない、とされています。
    詳細は原子力安全委員会のホームページ「低線量放射線の健康影響について」
   (http://www.nsc.go.jp/info/20110526.html)をご参照ください。

        関連箇所: 第5章広島・長崎の調査結果
            : 第5章広島・長崎の調査結果放射線の量とがんの発生率
            : 第5章低線量の放射線の影響